手紙人 No.024
東京 神父 / Sinpu Tokyo
「大切な妻へ」

    君からもらう手紙にはいつも「ありがとう」が書いてあります。
    僕らは毎日ありがとうを言い合う夫婦だけど、
    今日はあまり口に出さない感謝の気持ちを手紙に書いてみようと思います。

    いつも僕の作る料理をおいしいと言ってくれてありがとう。
    いつも埃のない部屋をありがとう。
    いつも道端の四季を教えてくれてありがとう。
    いつも出かける時、手を振ってくれてありがとう。
    クラシックが聴きたい時、ピアノを弾いてくれてありがとう。
    デートする時、必ず手を繋いでくれてありがとう。
    辛い時も淋しい時も、自分よりも僕のことを考えてくれてありがとう。
    今も出逢った頃と変わらない気持ちで名前を呼んでくれてありがとう。
    運命を信じてくれてありがとう。
    いつも「ありがとう」を言葉にしてくれてありがとう。
    世界で一番素敵な言葉を毎日聞かせてくれる君のことを
    世界で一番愛しています。

    君が好きな山崎努やマイケル・ケインのように、
    凛としたお爺ちゃんになれるよう、
    顔にも心にもシワを増やしていけたらと思います。
    そんな僕の隣で笑う、元気で素敵なお婆ちゃんで在ってください。

    いつもありがとう。
    そして、これからもありがとう。
    君と、君を作る全てに。

    東京 神父






    手(hand)
    左利き(ゲルインクボールペン / 三菱鉛筆 [ユニボールシグノRT1])





    紙(paper)
    妻宛(ノート / ライフ株式会社 [L ライティングペーパー VERTICAL])





    人(person)
    東京 神父(39歳 / 写真家)


    入筆時間
    20分
    好きな言葉
    ありがとう
    好きな本
    宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
    最後に手紙を書いたのは?
    一ヶ月前に妻へ
    手紙人になった感想
    自分で手紙人になってみて、改めて手紙を書くことの特別さを感じました。
    ありがとうばかりの手紙になりましたが、それも個性かなと思います。
    いつも言う全てのありがとうに想いを込める必要はなくて、
    毎日口にして、毎日耳にして、ふとした時に深くありがとうと思えることが大事なんじゃないかと思います。

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