あなたに恋をしてから20年が経ちます。
どうしようもなく好きになって。
生まれて初めて告白して。見事に振られて。
同窓会を機に再会したときは、ただただ感動して。
初めて書いた小説を最初に読んでくれたのもあなたでした。
アーティストを目指していると話してくれたあなたに、
どうしても読んでもらいたかったんです。
「純粋ってことは醜いってこと。逆も言える。醜いってことは純粋ってこと」
どんな意味なのかさっぱりわからず聞き返した僕に、
敢えて答えは教えませんでした。今度逢うときまでの宿題だって。
言葉は色褪せることなく鮮明に。あなたがいたからこそ、いまの僕があります。
連絡が取れなくなってから、数年が経ちますね。
どこにいてなにをしているのか。もはや生きているのかすらわかりません。
宿題も提出できないまま。
人は「点」です。点は日々を歩むことで「線」になり、
交わり重なり逢ったときに、新たな「色」が生まれます。
あなたと僕の線が交わり重なり逢うことは、もう二度とないのかもしれません。
それでも。いつか、また笑って話せるときがくると、信じています。
小山祐介

手(hand)
右利き(油性ボールペン / ZEBRA [Clip-on Slim SK-0.7芯])

紙(paper)
初恋の人宛(便箋 / Hallmark [Feather Leads to happiness EEP-630-706])

人(person)
小山祐介(34歳 / カフェスタッフ)
入筆時間
1時間
好きな言葉
まっすぐ
好きな本
山崎ナオコーラ「長い終わりが始まる」
最後に手紙を書いたのは?
初恋の人へ5年前くらいに書きました。「いまどうしてるの?元気?」って。
手紙人になった感想
心に浮かび上がる情景をありのまま書きました。再会した当時を思い出し、まるで初恋の人とまた逢えたような、そんな感覚。
叶うこと、叶わないことはたくさんあるけれど、それでも歩んでいこうと改めて思えたような気がします。
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