手紙人 No.056
甲斐田 沙羅 / Sara Kaida
「親愛なるちゃっちゃへ」

    大切なうさぎのちゃっちゃ、君と出会ってから10年が経ちます。
    秋は君の好きなリンゴの季節ですね。
    毎日何を考えて過ごしていますか?

    10才の誕生日にはじめて君とくっくを見た時、
    変な毛玉のようなハムスターだと思った。
    片方の手のひらに丸く乗っていたはずの君はずいぶん大きくなって、
    もう人間でいえばすっかりおじいちゃんだね。
    私も10年前はキライだったコーヒーやセロリ、ビターチョコレート、
    苦いものをいつの間にか美味しいと思うようになって、
    相変わらず悩んだり迷ったりしつつも、
    そろそろ「大人」といわれる歳になります。
    いろんな環境に身を置きながら生活しているけれど、
    遠くにいるとき心細いとき、ずっと心の中に
    鼻をひくひくさせている君がいました。

    きらきらした目、ときどきぴんと立つ長い耳、透明なひげ、
    むしゃむしゃとよく食べるしぐさのひとつひとつや、
    今ほっぺにぶらさがる腫瘍までも、ぜんぶ愛おしくて、
    ふわふわした中にたくましさのある君が好きです。
    これからもずっと大切な家族です。いつもありがとう。

    沙羅より







    手(hand)
    右利き(ジェルボールペン / ZEBRA [SARASA 0.5])





    紙(paper)
    飼っているうさぎ宛(レターブック / リバティプリント100枚)





    人(person)
    甲斐田 沙羅(19歳 / イラストレーター)

    入筆時間
    1時間半
    好きな言葉
    ありがとう
    好きな本
    サン=テグジュペリ「星の王子様」
    最後に手紙を書いたのは?
    1週間前、友人と先輩に。
    手紙人になった感想
    手紙は昔からもらうのもかくのも好きですが、今回のように人ではない誰かにかくのは初めてでした。
    返事が(うさぎから)もらえたらいいのになと思いました。どんなにLINEやメールが発達しても手紙はかきつづけると思います。

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